探検日誌3 ありえない恐怖

さまざまな敵のトラップに疲れ果ててしまった私は、ホテルのベッドの中で深い眠りに包まれていた。
すると、どこからともなく「ホホ、ホーホ〜、ホーホーピエロ知ってるか〜い」(ミッキーマウスのような声で)と声が聞こえてるくるではないか。
眠りの深淵の中でその声は続いた。
「おじいさ〜んのピエロ、いやいやよ〜♪」(あくまでもミッキーマウス風に)と、私の耳に聞こえてくる。
私の危機センサーが反応し始める。
眠りの深淵から這い上がってきた私は、再びその声を聞いた。


コーディーよ、最終警告だ。いますぐこの地を立ち去れい」その声はバスルームから聞こえてきていた。
私は疲れた重い身体を起こし恐る恐るバスルームへ歩を進めた。一気にバスルームの扉を開けると、なんとカンガルーがバスタブの湯に浸かっているではないか!
思いもかけない展開に私は度肝を抜かれた。と、同時にこの国の底知れぬ恐ろしさをまざまざと感じ取った。
北斗の拳」に例えるなら、修羅の国といった感じだろうか・・・。


即座に私は踵を返し、ベッドの横に置いてある「孫の手」を取りにいった。(武器は愛用の孫の手しか無かったのである)
孫の手を振りかざしバスルームに戻るとカンガルーの姿は跡形も無く消えていた。
呆然と立ち尽くす私。と同時に再び恐怖が私を襲ってきた!
部屋の窓から次々と動物達が飛び込んでくる!!
コアラ、クロコダイル、コモドドラゴンエリマキトカゲ、イルカにシーモンキーときたもんだ。
ぉぉおおおおおおーーーーー、動物達がどんどん入ってくるので、私は身動きが取れなくなってくる。やばい、やばいよぉぉおおおおーーーーー。
もう少しで窒息するところで、私は動物達に窓から投げ落とされた。
ドーン・・・私の身体に衝撃が走った。意識がもうろうとする中で目を見開くとベッドの下に私はいた。


どうやら悪い夢を見て、ベッドから落ちてしまったようだ。
再びベッドに戻ると寝汗でベッドがぐっしょり濡れている。(断言するが、おねしょではない)
私にまとわりついている恐怖心がこのような夢を見させたのだろう。
敵の姿が大きければ大きいほど私の探検家魂は燃え上がったものだが、今回だけは恐怖心の大きさに押しつぶされそうな私がいる。
今朝の夢は何を暗示しているのだろうか?
ほんとうにただの夢だったのだろうか??
私の探検の先行きに暗い影を落としつつ夜明けを迎えたのだった。


探検隊長 コーディー